正体(染井為人)
本の概要
埼玉の一家三人惨殺事件の死刑判決を受けた少年が拘置所を脱走し、様々な場所に潜伏しながら488日間逃走を続けるミステリー小説。
彼が出会う人々の視点から描かれることで、犯人の「正体」と冤罪という重い社会テーマが浮かび上がる。
映画・ドラマ化もされた圧巻の社会派サスペンス。
本の口コミ

先が気になって一気読みしてしまった。登場人物たちが本当にリアルで、涙なしには読めないラストが忘れられない。こんなに読後感が長く続く小説は久しぶり。

冤罪の恐怖と先入観の怖さを改めて考えさせられた。逃亡劇のスリルと人間ドラマが見事に融合しており、読み応え満点。映画・ドラマも合わせて楽しめる傑作。

「常識だから」とか「普通に考えて」という言葉に目を曇らせてしまって、真実・事実を確かめないで情報に流されないようにしなきゃいけないなぁ。
よくがんばりました。(喜多川泰)
本の概要
自分の価値観によって他者の見え方が変わるというテーマを、心温まる物語を通じて描いた小説。
ありのままの自分でいることの大切さ、周りの目に縛られずに自分に正直に生きることの自由と幸せを、繊細な人間描写で伝えてくれる。
読んだ後に自分の生き方を見つめ直したくなる一冊。
本の口コミ

読み終わった後、自分自身を少し好きになれた気がした。他人の評価より自分の感じ方を大切にすることを思い出させてくれた、心に優しく刺さる物語。

自分らしく生きることの意味を、押しつけがましくなく自然に感じさせてくれる。ページをめくるたびに温かさが増していく、繰り返し読みたい小説。

人の見え方も自分の価値観によって変わるんだなぁ。だからこそあまり気負わずに自分に正直にありのままの自分でいることがいいのかもなぁ。
プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)
本の概要
太陽の謎の現象により地球滅亡の危機が迫る中、記憶を失った状態で宇宙船の中で目覚めた科学教師グレースが、ただ一人で人類を救う使命に挑むSF小説。
宇宙で出会う予想外の相棒との交流と、緻密な科学描写が融合した、笑いと感動と驚きが詰まった圧巻の傑作。
第53回星雲賞受賞作。
本の口コミ

読み始めたら止まらなかった。科学の描写がリアルすぎて本当の話に思えてしまうほど。SF好きはもちろん、SF未経験の人にも自信を持っておすすめできる近年最高の一冊。

こんなに笑って、こんなに感動させてくれるSFは初めて。ロッキーとグレースの友情は心から胸を打つ。映画化も楽しみで、読んでおいて本当に良かったと思える傑作。

「本当は実話なんじゃないか?」と思ってしまうほど、描写が詳細で壮大なSFだと思ったなぁ。
黄色い家(川上未映子)
本の概要
社会の底辺でお金と生存をかけて生き延びようとする物語。
貧困・孤独・搾取といった現代社会のリアルな闇を、川上未映子ならではの鮮烈な文体で描き切った社会派小説。
自分が恵まれているかどうかを改めて問いかけてくる問題作。
本の口コミ

読んでいるのが辛くなるくらいリアルだった。自分がいかに恵まれた環境にいるかを痛感させられ、今の生活に感謝するきっかけになった。

日本社会の見えていない部分を直視させてくれる作品。文章の力と描写のリアルさに圧倒された。重いテーマだが読む価値のある、今の時代に必要な一冊。

自分がどれだけ恵まれているか再確認できる小説だったなぁ。
母という呪縛 娘という牢獄(齊藤彩)
本の概要
わが子に異常なほど執着し束縛し続けた母親と、その支配から逃げられなかった娘の実態を描いたノンフィクション作品。
子どもへの過度な介入が子どもの人生をいかに不自由にし、不幸へと追い込んでいくかを衝撃的なエピソードとともに記録している。
毒親問題を考えるうえで必読の一冊。
本の口コミ

読んでいて恐ろしくなった。親子関係の歪みがここまで深刻になりうることに驚いたが、同時に多くの人が似た苦しみを抱えていることも気づかされた。

毒親問題を深く考えたい人に読んでほしい一冊。子どもの主体性と自由がいかに大切かを、リアルな事例で突きつけてくれる衝撃的なノンフィクション。

子ども異常に執着する親をもつ子どもは、不自由で不幸になってしまうなぁ。
雪のなまえ(村山由佳)
本の概要
小学生の主人公が過ごす日々を繊細な感性で描いた物語。
子ども特有の感情の揺れや悩みを丁寧に描写しながら、大人も忘れがちな子どもの心の複雑さを伝えてくれる作品。
自分の小学校時代の記憶と重ね合わせながら、子どもを取り巻く環境について考えさせてくれる一冊。
本の口コミ

子どもの感情がこんなにも細かく、豊かに描かれている作品は珍しい。読み終わった後、自分の子ども時代を振り返り、今の子どもたちの環境について改めて考えた。

村山由佳の筆致が優しく、子どもの心に寄り添う描写が光る。自分とは違う子ども時代を生きた人たちのことを想像させてくれる、視野が広がる一冊。

自分の小学校時代が恵まれすぎてきて、全く共感できずに「ワガママだなぁ」と思ってしまったけれども、こういうこともあるんだなぁと勉強になったなぁ。
嘘と正典(小川哲)
本の概要
「魔術師」「ひとすじの光」「時の扉」「ムジカ・ムンダーナ」「最後の不良」「嘘と正典」の全6篇を収録した直木賞候補のSF短編集。
時間・歴史・科学・音楽・哲学など多彩なテーマをSFと融合させ、ジャンルの境界を軽やかに超える著者の卓越した筆力が光る。
CIA工作員が歴史改変で共産主義を消滅させようとする表題作は特に圧巻の読み応え。
本の口コミ

各短編が全く違う顔を持ち、一冊で何度もびっくりさせられた。SFと純文学の中間を走る小川哲の世界観に完全にハマった。これほどジャンルを超えた短編集は初めて。

表題作『嘘と正典』だけでも読む価値あり。時間SFと歴史の組み合わせが鮮やかで、ラストの衝撃は忘れられない。直木賞候補に選ばれたのも頷ける圧倒的な完成度。

それぞれの物語が面白かったのはもちろんだが、時間に絡めて科学、歴史、哲学、音楽と筆者の引き出しの多さに驚かされたなぁ。
