
今回のテーマは「言語化」だよ!
良かれと、細かく説明しすぎていませんか?
実は、説明するほど相手の心は離れてしまいます。
今日は、読者の心を撃ち抜く認知と圧縮の技術をお渡しします。
最後まで見れば、人に何かを伝える感覚が劇的に変わるはずです。
【おすすめ本】言語化するための小説思考
本の口コミ

最近立て続けに著者の作品を読んでいるのですが、本当にものすごい才能と頭の良さを持った小説家だなと思います。本書はそんな著者が小説と向き合う際の思考を言語化した本。小説の読み方の指南書でもあり、小説を書く際の文章術でもあり、著者という人間を知るための本でもあります。ここまで考えて執筆しているのかと圧倒され、凡人には到底無理だと無力感すら覚えました。

小説家 小川哲の頭の中を覗いているようで、思考の一端を垣間見ることができて楽しかった。楽しかったが、ここまで考えて執筆しているのかと圧倒された。

小説の書き方を知りたい人には、ぜひ読んでほしい一冊だなぁ。小説家である筆者が、何を考え、どのように物語を組み立てていくのかを、実際の作品を例にしながら解説してくれるんだなぁ。特に面白かったのは、作者と読者のコミュニケーションについての考え方。小説家だけでなく、ほかの分野でものを作るクリエーターにとって、参考になる内容だと思ったなぁ。もともと小説家は、想像力が豊かで頭のいい人がなるものだと思っていたけれど、この本を読んでその考えがさらに強まったんだなぁ。自分にはとても小説なんて書けそうにないと、ちょっと絶望してしまったなぁ。
本編の目録

この記事では、相手の心を動かすための、3つのステップをお話しします。
1つ目は、抽象と個別の往復運動について。
2つ目は、情報差の最小化と、順番の重要性。
そして3つ目は、答えなき問いの共有です。
これらは、プロの小説家が実際に使っているテクニックなのです。
ビジネスの場でも、日常の会話でも、必ず役立つはずですよ。
文章を書くことや、人に伝えることが苦手だと感じているなら、どうか少しだけお付き合いください。
世評と合わない時のスタンス

私たちはよく、世間で評価されているものが、自分には合わないと感じることがありますよね?
あのベストセラー小説の、何が面白いのかさっぱりわからない。
そういう経験は、誰にでもあるはずです。
そんな時、あなたは自分の感性がおかしいのかと悩む必要は全くありません。
それはただ、好みの手法や小説法の違いでしかないからです。
相手に何かを伝えるときも同じと言えます。
万人に受ける正解の型なんて存在しないと、割り切ってしまった方が、実は気持ちを楽にして相手に向き合うことができるのです。
抽象化と個別化の往復

人に何かを伝えるとき、一番やってはいけないことがあります。
それは、自分の頭の中にある知らない世界を、そのまま相手にぶつけてしまうことです。
過去の私は、企画書を作るとき、とにかく情報を詰め込んでいました。
背景から専門用語まで全部説明して、結局何を言いたいのかわからないと、上司に突き返される毎日だったんです。
本当にやるべきなのは、自分の世界を一度抽象化して、相手が理解できる別の世界に個別化して落とし込むこと。
そのまま見せるのではなく、相手の文脈に翻訳する作業が必要になります!
自分の目で世界を見る

知らない世界を相手に伝えるための鍵は、まさにこの翻訳作業にあります。
まずは自分の目で、しっかりと世界を観察する。
そして見えたものを一度抽象化して、別の誰かにも当てはまる形に置き換えていくんです。
専門用語を使わずに、日常の例え話に変換するのも、この技術の1つですよ。
小説家は、全く架空のファンタジーの世界であっても、この抽象化と個別化を繰り返すことで、読者にまるで現実のことのように感じさせています。
これが、相手の頭の中に映像を浮かび上がらせる秘訣なのです。
脳と文章の非対称性

ここで、1つ重要な事実をお話しします。
私たちが目で見て世界を認知するとき、その情報は一瞬で、同時に脳に飛び込んできます。
景色も音も匂いも、全ていっぺんに処理されるのです。
しかし、文章や言葉でそれを相手に伝えるときはどうでしょうか?
言葉は絶対に、順番にしか相手に届きません。
一度にすべてを説明することは、物理的に不可能なのです。
だからこそ私たちは、何をどの順番で伝えるかということに、命を懸けなければなりません。
伝える順番の絶対性

文章表現において、伝える順番を決めること以上に、重要な要素はありません。
最初に結論を言うのか、最後に感情を爆発させるのか。
その順番1つで、受け手の印象は180度変わってしまいます。
どんなに素晴らしいアイデアでも、順番を間違えれば、ただのノイズになってしまうのです。
相手の脳にどういう順番で情報を届ければ、最もスムーズに理解してもらえるか?
それを徹底的に考えることが、文章を書くということの本質だと言えます。
思いつきで書くのではなく、設計図を作って並べる。
このひと手間で、相手への伝わり方はまったくの別物になります。
読みやすさの正体とは

ここで、心理学やビジネスの世界でよく言われる、知識の呪縛という専門用語を紹介させてください。
要するに、自分が知っていることは、相手も当然知っているはずだと、無意識に勘違いしてしまう脳のバグのことです。
読みやすい文章というのは、この書き手と読み手の情報量の差が、限りなくゼロに近い状態を指します。
自分が知っているからといって、相手も知っている前提で話を進めると、相手は確実においてきぼりになってしまいます。
この情報差を最小化する努力こそが、相手への最大の配慮になるのです。
行き先を明示する冒頭

多くの読者を惹きつける魅力的な作品には、ある共通点があります。
それは、物語の冒頭でしっかりと行き先を明言し、自己紹介を済ませているということです。
この話はどこに向かっているのか、誰の話なのかを、最初にはっきりとさせているのです。
ビジネスのプレゼンでも、全く同じですよね?
今日お話しするのはこういうテーマで、あなたにこんなメリットがありますと、最初に宣言する。
読み手の不安を取り除き、これから始まる時間に安心感を持たせることが、多くの人を引き込む第一歩になります。
野暮な説明を削ぎ落とす

そして、伝わる内容が同じであれば、情報は少なければ少ないほどいいです。
私たちは不安になると、つい余計な言葉を足してしまいますよね?
しかし、読者がすでに知っていることや、文脈から容易に想像できることを、わざわざ言葉にするのは、ただの野暮な説明でしかありません。
それは読者の想像力を奪い、読む気をなくさせる原因になります。
不要な説明を、勇気を持って削ぎ落とすこと。
研ぎ澄まされた短い言葉の方が、実は圧倒的に相手の心に深く刺さるんです。
共感は内輪な世界から

人の感情を深く揺さぶるもの。
それは、壮大で誰もが共感できるような、一般論の中にはありません。
実は、ひどく個人的で、とても内輪な世界の中にこそ、本質は潜んでいるのです。
あなた自身が日常で感じたささいな怒りや理不尽さ、あるいは、嬉しかった小さな出来事。
そういった個人的な感情の揺れ動きこそが、巡り巡って見知らぬ誰かの心に強く共鳴します。
綺麗にまとめられた言葉より、泥臭い本音の方が、何倍も人の心を動かす力を持っているのですよ。
答えなき問いから考える

何かを伝えようとするとき、最初から完璧な主張や設定を作ろうとしていませんか?
立派な意見を持たなければいけないと、思い込んでいる人は多いです。
でも、本当に相手を引き込むのは、完成された答えではありません。
答えの出ない問いから考えることです。
自分が本当に知りたいことや、ずっと不思議に思っていること。
その答えのない問いを相手と共有する方が、押し付けがましい主張を聞かされるより、ずっと人は興味を持って耳を傾けてくれます。
問いを探求するプロセス

一人の人間が机の上で頭を抱えて捻り出した答えなんて、たかが知れています。
そんな陳腐な答えを自信満々に語るより、本当に価値があるのは、答えのわからない問いを深く探求していく過程そのものです。
自分がわからないからこそ、真剣に向き合い、もがいている姿。
そのリアルな探求のプロセスに読者は惹きつけられるのです。
完璧な人間を演じる必要は、どこにもありません。
わからないことをわからないまま、一緒に考えていこうとする姿勢が、最強の武器になりますよ。
面白さに必要な新しさ

面白い文章に必要な新しさとはなんでしょうか?
最新のトレンドを追うことでしょうか?
そうではありません。
誰も見たことがないような新しいギミックを見つけるか、あるいは、誰もが知っているありふれた日常を、まだ誰もやったことのない視点から切り取るか。
そのどちらかしかありません。
見慣れた景色を、別の角度から見せてくれる。
そんな新しい視点を提供してくれる人の言葉に、私たちは強く惹かれます。
あなただけの視点を、どうか大切にしてください!
小説の面白さの方程式

ここまで話してきたことをまとめると、小説や文章の面白さというものは、ある方程式で決まります。
それは、あなたの認知の質と、それを圧縮する技術の掛け算です。
自分の目で世界をどう観察し、どう解釈したかという認知。
そしてそれを、いかに無駄を省き、順番を計算して相手に届けるかという圧縮技術。
この2つが組み合わさった時に初めて、人の心を強烈に揺さぶる作品が生まれます。
どちらか片方だけでは、決して成り立たないんです。
価値を決めるのは読者

そして最後に、忘れてはいけない最も大切なことがあります。
文章の価値を決めるのは、書き手ではありません。
作者が何を表現したかったかではなく、読者が何を受け取ったか。
それが全てです。
どんなに高尚な意図があっても、相手に伝わらなければ意味がありません。
私たちは常に、ベクトルを自分ではなく相手に向けなければなりません。
相手の心にどう響いたかが、私たちの表現の本当の価値を決める、たった1つの絶対的な基準になります。
相手へのおもてなし

相手に何かを伝えるとき、すべてを事細かに説明する必要はありません。
本当に大切なのは、読者が、これはまさに自分に向けられているメッセージだと、感じられるようにすることです。
それこそが、本当の意味での相手へのおもてなしになります。
最後まで見ていただき、ありがとうございます。
あなたは今日、読者の心を撃ち抜く、認知と圧縮の技術を手に入れました。
この知識は、明日からのあなたの発信やコミュニケーションを、必ず劇的に変えてくれるはずですよ。
順番を変えるクエスト

最後に、今日からすぐできるデイリークエストをお渡しします。
今日、誰かにメールを送る時や、仕事で報告をする時、言葉を足すのではなく伝える順番だけを意識して並べ替えてみてください。
結論を先に持ってくるだけで、相手の反応が驚くほど変わるのを実感できるはずです。
まずはそこから始めてみましょう。
これからも役立つ知識を、世界一わかりやすく翻訳して、お届けしていきます。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

