
今回のテーマは「行動経済学」だよ!
人の意見や周りの空気に流されて後悔した経験はありませんか?
実はそれ、あなたの性格のせいではなく心に組み込まれた自動プログラムの仕業です。
今回は人の意見に振り回されないコツを分かりやすくお伝えします。
行動経済学とは?

行動経済学という言葉を聞いたことがありますか?
これは難解な数式ではなく、私たちの心の働きや行動のクセを分析する学問です。
人は常に合理的な判断ができるわけではなく、感情や思い込みに左右される生き物です。
行動経済学を学ぶことは、自分自身の取扱説明書を手に入れるようなものです。
日常の選択を客観的に見つめ直すことができるようになります。
では、私たちがつい流されてしまう原因となる一つ目の心のクセから見ていきましょう。
その原因は誰もが抱えるある感情にありました。
【心のクセ 1】損をしたくない

一つ目の心のクセは、損をしたくないという心理です。
専門用語では損失回避と呼ばれます。
私たちは利益をすぐに手に入れたいと思う一方で、損失はできるだけ先送りしたいと考えます。
例えば、いつもと違う選択をして失敗するくらいなら、今のままでいいやと現状維持を選んでしまうことはありませんか?
これは新しい挑戦への不安やストレスを避けようとする無意識の働きです。
現状維持は安心をもたらしますが、同時に成長の機会を奪う罠でもあります。
続いて、私たちが陥りがちな二つ目のクセを見てみましょう。
それは頭の使い方に隠されていました。
【心のクセ 2】直感で決めてしまう

二つ目の心のクセは、直感で決めてしまうことです。
専門用語ではヒューリスティックと言います。
人は複雑な物事をざっくりと捉え、直感で判断しようとする傾向があります。
毎回すべての選択肢を深く考えていたら、脳が疲れてしまうからです。
この直感は便利な反面、思わぬ落とし穴になります。
大切なのは、物事を決める際に本当に重要な理由と、そうでない理由をしっかり分けることです。
例えば、なんとなく良さそうという直感だけでなく、自分にとってのメリットは何かを冷静に考える時間が必要です。
さらに、私たちの判断は入ってくる情報の順番にも大きく左右されます。
一体どういうことでしょうか?
【心のクセ 3】情報の「順番」に左右される

三つ目の心のクセは、情報の順番に左右されることです。
私たちは入ってきた情報の順序によって、判断が大きく引っ張られます。
まず、最初の情報に引っ張られる現象を見てみましょう。
専門用語では初頭効果と呼ばれます。
第一印象がその後の評価を決定づけるというものです。
これは特に、あまり関心がない事柄に対して強く働きます。
例えば、最初の数十秒でつまらないと感じた動画は、すぐに見るのをやめてしまいませんか?
では逆に、最後まで残る印象はどうでしょうか?
【心のクセ 3】情報の「順番」に左右される (続き)

情報の順番に左右されるもう一つの側面が、最新の情報に引っ張られる現象です。
専門用語では親近効果と言います。
古い情報は忘れがちになり、直近の新しい情報を一番信じやすくなるという働きです。
これは、もともと関心が高い事柄に対して強く現れます。
例えば、長年応援しているスポーツチームが最近の試合で活躍すると、過去の不調を忘れてやっぱり強いと確信してしまうようなことです。
このように、私たちは情報の順番によって簡単に評価を変えてしまいます。
そして私たちの心には、さらに強力な見えない引力が働いています。
それは他者の存在です。
【心のクセ 4】みんなと一緒が安心

四つ目の心のクセは、みんなと一緒が安心という心理です。
専門用語ではハーディング現象、あるいは群集心理と呼びます。
人間は一人でいるよりも群れをなしたいという強い本能を持っています。
私自身も以前、ガラ空きのカフェに入ったのに、わざわざ他のお客さんの隣の席に座ってしまったおばさんを見て、戸惑った経験があります。
理屈では離れた方がゆったりできるのに、無意識に人の近くを選んでしまうのかもしれません。
みんながやっているから大丈夫という安心感は、時に自分の判断を曇らせます。
そして、この群集心理とは別に、私たちがついやってしまう自己防衛のクセがあります。
【心のクセ 5】何かのせいにしたい

五つ目の心のクセは、何かのせいにしたいという心理です。
専門用語では帰属理論と言います。
私たちは出来事の原因を、自分以外の何かのせいにしたくなる生き物です。
なぜなら、周りの状況を自分の思い通りにコントロールしたいという強い欲求を持っているからです。
うまくいかない時は環境や他人のせいにすることで、心の平穏を保とうとします。
しかし、これでは根本的な解決にはなりません。
客観的に状況を見つめ、自分が変えられる部分に集中することが大切です。
次に紹介するクセは、私たちが日常的によく騙されてしまう錯覚についてです。
【心のクセ 6】目立つ部分に騙される

六つ目の心のクセは、目立つ部分に騙されることです。
専門用語ではハロー効果と呼びます。
私たちが何かを評価する時、パッと見てわかる目立つ特徴だけで全体を判断してしまいがちです。
一つの良い特徴に引っ張られ、他の大事な部分を見落としてしまうのです。
例えば、パッケージが高級そうだから中身も美味しいに違いないと思い込んでしまうことはありませんか?
これは脳が情報処理をサボろうとする結果です。
表面的な魅力に惑わされず、本質を見極める意識が必要です。
そして最後に、私たちが最も後悔しやすい心のクセをご紹介します。
【心のクセ 7】目先の利益を優先してしまう

最後の心のクセは、目先の利益を優先してしまうことです。
専門用語では現在バイアスと言います。
将来の大きな利益よりも、目の前にある小さな利益をつい選んでしまう心理です。
例えば、将来健康になったりお金が貯まると分かっていても、つい今の楽しみや誘惑に負けてしまうことはありませんか?
私自身も冬用にネットで安いジャージを買ったものの、生地がペラペラで寒くて耐えられず、結局安物買いの銭失いになった苦い経験があります。
目先の安さに惹かれて、本来の目的を見失ってしまったのです。
では、ここまで紹介した心のクセに流されないためには、どうすればよいのでしょうか?
具体的な対策を二つお伝えします。
流されない工夫 ①良い方向へ導く

流されないための工夫の1つ目は、良い方向へ導く仕組みを作ることです。
専門用語ではナッジと言います。
自分の心のクセを知った上で、無理なく好ましい方向へ誘導する工夫を日常に取り入れましょう。
意志の力だけで誘惑に打ち勝つのは至難の業です。
例えば、無駄遣いを防ぐために最初から給料の一部を定期預金に自動で振り替える設定にしておくといった具合です。
頑張らなくても自然と良い選択ができる環境を作ることがポイントです。
そしてもう一つの工夫は、未来に対する考え方を変えることです。
流されない工夫 ②複数の未来を考える

流されないための工夫の2つ目は、複数の未来を考えることです。
将来を的確に予測することは誰にもできません。
だからこそ、上手くいく場合とそうでない場合の複数のシナリオを考えておくことが大切です。
一つの予想にしがみつくと、それが外れた時にパニックになり、また感情や周りの意見に流されてしまいます。
あらかじめ複数のパターンを想定しておくことで、心に余裕が生まれ、変化に柔軟に対応する準備が整います。
【おすすめ本】行動経済学見るだけノート
本の概要
「なぜか損をしてしまう」「ついつい買いすぎてしまう」
そんな日常の不思議な行動には、実はちゃんとした理由があります。
この本は、人の心と経済の関係を扱う「行動経済学」を、豊富なイラストでやさしく解説した一冊です。
難しい理論は一切なく、職場や買い物など身近な場面に当てはめながら、あなた自身の行動パターンを楽しく読み解いていけます。
本の口コミ

行動経済学の入門として最適です。イラストを中心に、全体像や経済学の歴史について概要を掴めます。この本を起点に、気になる分野を掘り下げていけば良いです。当方、理系出身で経済学は疎いですが、イラストのおかげてすんなり理解できました。

全く経済学について学んだ事のない者ですが、まず、見た目がとっつきやすい。チャプター分けが分かりやすい。経済と人の心の関係を事例を通して分かりやすく説明している。普段のちょっとした出来事を、客観的に整理して解説してくれる。そんな感じです。まだ、読み始めたところですが、初心者には非常に入りやすい本だと思います。

行動経済学って何だろう?と思って手に取ったけど、図やシンプルな説明で本当にわかりやすい入門書だったなぁ。知識がなくてもスッと読めて、身近な出来事を例にしてくれるから、自然と理解できたのが良かったなぁ。これをきっかけに、もっと深く学んでみたくなった一冊だなぁ。
本日のまとめ

本日のまとめです。
人は損を避け、直感で物事を選びがちです。
また第一印象やみんなの意見、目立つ部分や目先の利益に容易に惑わされます。
しかし、これらの心のクセを知ることこそが、自分を守る第一歩です。
自分の傾向を客観的に理解できれば、周りに振り回される機会は確実に減っていきます。
最後に、今日からすぐに始められる小さな一歩をご提案します。
今日できる、小さな一歩

今日できる小さな一歩は、迷った時は一呼吸おいて理由を紙に書き出すことです。
心のクセは誰にでもあります。
自分を責める必要はありません。
書き出すことで少しずつ客観的な視点を育てていきましょう。
これからも役立つ知識を世界一わかりやすく翻訳してお届けしていきます。
