
今回のテーマは「意思決定」だよ!
あなたは知らず知らずのうちに損をしていませんか?
実は、人間の脳は勝手に騙されるようにできているんです。
今回は、なぜか騙されてしまう脳のカラクリと、絶対に騙されないための防衛策をわかりやすくお伝えします。
導入

私たちの頭の中には、二つの全く違うモードが存在しています。
普段、仕事や家事など生活している中で、私たちがどちらのモードを使っているか意識することはほとんどありません。
……いや、少し正確に言うと、意識すらできないほど自動で切り替わっているんです。
まるで、無意識に呼吸をしているのと同じくらい自然なことなのです。
毎日たくさんの決断を下すたびに、この二つのモードは私たちの頭の中で激しく主導権を争っています。
この脳の仕組みを知らないままでいると、私たちは一生誰かの思惑通りに動かされて、気付かないうちに損をすることになります。
過去の失敗を思い返して落ち込むこともあるかもしれませんが、それはあなたのせいではありません。
では、その二つのモードとは一体何なのでしょうか?
解説(2つのモード)

一つ目は、パッと見で判断する直感モードです。
これは、日々のスーパーでの買い物や歩き慣れた道を歩く時など、無意識にサクサク動いてくれるとても便利な機能です。
ただ、この直感モードはとてもお調子者で、よく間違った答えを出してしまいます。
私自身も、ネット通販で安い冬服を見つけて直感で飛びついた結果……生地がペラペラで、届いた瞬間に絶望して膝から崩れ落ちたことがあります。
対して二つ目は、深く考えて計算するじっくりモードです。
こちらは、論理的に物事を解決できるとても優秀な機能ですが、すぐに疲れてサボりたがるという厄介な性質を持っています。
私たちが騙されてしまうのは、いつもこのじっくりモードが休んでいる時なのです。
では、この直感モードがいかに私たちを騙すのか、実際のクイズで試してみましょう。
クイズ1

最初の問題です。
あなたは、どちらの言葉を正しいと信じやすいでしょうか?
Aの何度も繰り返し聞いたことがある言葉か、それとも、Bの初めて聞いた難しい言葉か。
日々の生活で耳にするテレビのニュースや職場の噂話などを思い浮かべて、少しだけ考えてみてください。
……どうでしょうか?
あれこれと悩まずに、自分の直感でパッと選んでみてくださいね。
実は、この答えに私たちが普段どれだけ適当に物事を判断しているかが隠されています。
毎日一生懸命、真面目に考えて生きているつもりでも、私たちの脳はこっそりと手抜きをして楽な方へと流されているのです。
この事実を知ると、これまでの自分の決断が少し怖くなるかもしれません。
果たして、驚きの正解はどちらなのでしょうか?
解説1

正解は、Aの何度も繰り返し聞いた言葉です。
私たちの脳は、何度も見聞きしてなじみのあるものを、無意識に正しいと勘違いしてしまう仕組みを持っています。
これは、テレビのコマーシャルを何度も繰り返し見ているうちに、その商品が無条件に良いものだと勝手に思い込んでしまうのと同じ現象です。
つまり、私たちは本当の正しさや証拠の有無ではなく、ただ脳が処理しやすいだけのなじみのある情報を、真実だと錯覚しているんです。
日々の生活の中で、何度も言われた言葉をいつの間にか信じてしまった経験はありませんか?
それは、直感モードの罠にはまっていた証拠です。
では、自分の気分が良い時と悪い時では、どちらが騙されやすいのでしょうか?
クイズ2

次の問題です。
論理の罠に引っかかりやすくなるのは、どんな時でしょうか?
Aのすごくご機嫌な時か、それとも、Bのちょっと警戒している時か。
普通に考えると、心が不安定でイライラしている時の方が、判断を誤って騙されやすそうですよね。
……あ、でも待ってください。
本当にそうでしょうか?
私たちの直感モードは、自分のその時の気分によっても大きく働き方が変わってしまうという、とても気分屋な側面を持っています。
この正解を知ると、明日からの気分の持ち方や、大切な決断をするタイミングが大きく変わるかもしれません。
感情の波にどうやって立ち向かえば良いのか、ヒントが隠されています。
では、気になる正解を見てみましょう。
解説2

正解は、Aのすごくご機嫌な時です。
気分が良くて幸せな時、私たちの脳はすっかりリラックスしてしまいます。
すると、あの優秀だけどサボり癖のあるじっくりモードは完全に眠ってしまい、お調子者の直感モードが全開になります。
結果として、警戒心が薄れてしまい、普段なら絶対に気づくような簡単な嘘や罠に、あっさりと引っかかってしまうんです。
休日のリラックスしている時に、つい気が大きくなって余計な買い物をしてしまった経験はありませんか?
あれも、脳の警戒が解けていた証拠なのです。
気分が良い時こそ、脳が隙だらけになっているので要注意なんですね。
では次に、多くの人が無意識に操られている数字の罠についてのクイズにいってみましょう。
クイズ3

第3問です。
あなたが全く知らない商品の値段を予想する時、最初に1万円と聞かされたらどうなるでしょうか?
Aの1万円付近で予想してしまうか、それとも、Bの全く影響されないか。
見知らぬ土地へ一人旅に行って、初めて入るお店のメニューを見るような感覚を思い浮かべてみてください。
自分は絶対に人の意見や見せかけの数字には流されないと強く思っている人ほど、実はこの罠に落ちやすいんです。
私たちの脳は、数字という説得力がありそうなものに対して、どのような反応を示すのでしょうか?
ここにも、直感モードの浅はかな判断が隠されています。
果たして、正解はどうなるでしょうか?
解説3

正解は、Aの1万円付近で予想してしまうでした。
人間は、全く知識がない状態で最初に見た数字が、無意識のうちに基準となってしまい、そこからどうしても離れられなくなります。
洋服屋さんのセール品に元値が大きく書いてあると、今の値段をつい安いと思って買ってしまうのも、この最初の数字の罠にかかっている証拠です。
どんな数字であっても一度目にしてしまうと、脳の奥深くに錨を下ろすように固定されて影響を受けてしまいます。
騙されないためには、相手が提示してきた数字を一旦疑う癖をつけることが大切です。
次は、毎日のように見ているテレビのニュース番組が引き起こす脳の錯覚について考えてみましょう。
クイズ4

第4問です。
テレビでよく報道される事故は、現実の生活でも多いと感じますか?
Aのすごく多いと感じるか、それとも、Bの冷静に確率を計算できるか。
毎日繰り返し流れるショッキングな映像や悲しいニュースを見ていると、私たちの心はどうしてもそちらに引っ張られてしまいますよね。
……でも、少し冷静になって実際のデータや確率を見てみると、驚くべき事実が見えてくるんです。
私たちの直感は、過去の記憶や印象に残っている映像に、どれくらい左右されてしまうのでしょうか?
日々の不安の正体が、ここで明らかになります。
正解を見てみましょう。
解説4

正解は、Aのすごく多いと感じるでした。
人間は、頭に思い浮かびやすい鮮烈な出来事の確率を、実際よりもずっと高く見積もってしまう癖があります。
ニュースで何度も見た派手な事故は記憶から引き出しやすいため、自分の身にもすぐに起こると思い込んでしまうんです。
つまり、自分の記憶にあるものが世界の全てだと信じ込んでしまう、直感の暴走ですね。
飛行機事故のニュースを見た直後に、飛行機に乗るのが怖くなるのもこの現象です。
事実よりも、記憶の強さに騙されているのですね。
では、絶対に間違いないと自信満々な人の意見は、無条件で信用できるのでしょうか?
クイズ5

第5問です。
絶対の自信があると言う人の直感や予測は、本当に正しいのでしょうか?
Aの自信があるなら正しいはずか、それとも、Bの自信と正しさは全く別物か。
仕事や日常生活の中で堂々と意見を言う人を見ると、ついその通りだと信じたくなりますよね。
迷いがない姿勢には、思わずついていきたくなるような安心感があります。
……ですが、その自信は一体どこから来ているのでしょうか?
ここにも、脳の厄介な思い込みと錯覚が深く関わっています。
専門家や上司の言葉に流されないための、重要なポイントです。
果たして、自信の裏側には何が隠されているのでしょうか?
解説5

正解は、Bの自信と正しさは全く別物でした。
実は、人が自信満々になっている時というのは、ただ頭の中にあるバラバラな情報を繋ぎ合わせて、自分にとって都合の良い物語を作っただけに過ぎません。
情報が綺麗にまとまって脳がスッキリしたという個人的な感覚が、絶対の自信の正体なんです。
ですから、どれだけ強い自信を持っていても、それが真実である証拠には全くなりません。
だからこそ、自信満々な直感や意見ほど、一度立ち止まって疑ってかかるくらいでちょうど良いのです。
次は少し視点を変えて、お金や損得の感情について考えてみましょう。
クイズ6

第6問です。
あなたの心がより大きく揺さぶられるのは、どちらの出来事でしょうか?
Aの1万円をもらった時か、それとも、Bの1万円を落として損した時か。
お金の価値は、全く同じ1万円のはずですよね。
……いや、少し想像してみてください。
財布の中から大切なお札が消えてしまった時の、あの冷や汗が出るような絶望感を。
人間の心は、得をすることと損をすることで、全く違う不均等な反応を示します。
頭ではわかっていても、感情が追いつかないのが人間の悲しい性なのです。
果たして、どちらの方が心の傷は深く残るのでしょうか?
解説6

正解は、圧倒的にBの1万円を落として損した時です。
人は、利益を得る喜びよりも、何かを失う痛みを二倍以上も強く感じてしまいます。
だからこそ私たちは、今の環境を変えることで得られるメリットよりも、変化によって何かを失うデメリットを極端に恐れてしまいます。
新しいことに挑戦できず現状維持から抜け出せないのは、あなたが弱いからではなく、脳が損を過剰に嫌がっているだけなんです。
スッと肩の荷が下りる気がしませんか?
脳の防衛本能がそうさせているだけなのです。
では、すでに大きな損をしてしまっている場合は一体どうなるのでしょうか?
クイズ7

最後の問題です。
すでに大損している投資や事業があった場合、あなたならどうしますか?
Aのもったいないから追加でお金を払うか、それとも、Bのきっぱりと諦めて次へ行くか。
これまで費やしてきた時間やお金、そして努力を思い返すと胸がギュッと締め付けられますよね。
今ここでやめたら、自分の過去の選択が全て間違いだったと認めることになり、全てが水の泡になってしまうという強烈な焦りが生まれるはずです。
この時、私たちの脳内では損を取り戻そうとする恐ろしい葛藤が起きています。
果たして、正しい選択はどちらなのでしょうか?
解説7

正解は、Bのきっぱりと諦めて次へ行くでした。
今までこれだけ払ったのだから、もったいないと思う感情が私たちをさらなる泥沼へと引きずり込みます。
これを断ち切るには、過去に失ったものはもう戻らないと静かに割り切り、未来にだけ目を向けるしかありません。
損を認めるのは、誰だって心が痛むものです。
でも、その痛みをしっかりと受け止めて引き受ける勇気こそが、これ以上の大きな失敗を防ぐ唯一の盾になるんです。
過去の自分を許して手放すことが、最善の解決策なのです。
【おすすめ本】ファスト&スロー: あなたの意思はどのように決まるか?
本の概要
人はいつも冷静に考えているつもりでも、実は思い込みやその場の印象に大きく左右されています。
あなたの選択や判断も、気づかないうちにズレていることがあると、この本は教えてくれます。
その仕組みを知るだけで、日々の迷いや後悔を減らし、より納得できる決断ができるようになります。
本の口コミ

私は行動経済学の本として初めて本書を読みました。その後予想どおりに不合理や明日の幸せを科学するなども読みましたが、この本の面白さや幅広さに比べると見劣りしてしまいます。最初読み始めたときは読みにくそうだなあと思いましたが、そう感じたのは最初の方だけでした。

いや、これは本当におすすめできます。理論立てて書かれてあり、納得の一言です。これは良書ですね。

行動のクセをここまで分かりやすく教えてくれる本はなかなかないなぁ。人の頭には「なんとなくで決める働き」と「しっかり考える働き」があって、実はほとんど前者に頼っているという話はかなり納得だったなぁ。自分に都合よく考えてしまったり、根拠もないのに自信を持ってしまうのも、その場でそれっぽい話を作ってしまうからだと知ってハッとしたなぁ。全部を直すのは難しいけど、「そういうクセがある」と気づくだけでも判断はかなり変わりそうだと感じたなぁ。
まとめ

これまでの内容の簡単なまとめです。
私たちの脳は、深く考えることを面倒くさがり、すぐに答えを出してくれるラクな直感を好みます。
そのため、自信満々に語られる意見や最初に提示された数字に、とても簡単に騙されてしまいます。
さらに、人は損を極端に嫌がる生き物なので、変化を恐れて現状にしがみついたり、過去の失敗を取り戻そうと無理をしてしまいます。
これらは全て、脳の自動的な防衛反応であってあなたが悪いわけではありません。
感情に振り回されず、冷静な事実で判断する習慣をつけることが大切です。
アクションプラン

最後に、今日からできる極めて簡単なワンアクションプランをご提案します。
何か大きな決断や買い物を迫られた時は、その場ですぐに決めず、必ず一晩寝てから決断してください。
少し時間を置くことで、サボり癖のあるじっくりモードが目を覚まし、あなたの脳は賢く働いてくれますよ。
これからも役立つ知識を世界一わかりやすく翻訳してお届けしていきます。
